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面白法人カヤック様 SOUNDカード™体験セッション&インタビュー

SOUNDカード™だからこそつくれる、「新しい話し合いのデザイン」とは 。
~面白法人カヤック様と解き明かす、SOUNDカード™の本質と可能性(2)

INDEX

1.「少しの準備でかなりのレベルまで会議を持っていける」って本当に?

2. SOUNDカード™はファシリテーターの「金棒」になる 

3 .話し合いの3 つのポイントと、コントロールの秘訣とは 

4 .会議内の見えない権力を解体するには

5 .暗黙知依存が生む「行き詰まり」を解消する方法とは  

6 .おわりに 

3.話し合いの3つのポイントと、コントロールの秘訣とは 

― 他には、社内でどのような使われ方をされていますか? 

 

柴田さん: 先日、地域資本主義事業部での合宿を実施しました。30人くらいで集まって、それぞれのサービスや事業をどうすべきか?について、6グループで4~5時間かけてSOUNDセッションを実施しました。 

私は全体の進行役に徹して、各アジェンダの議論には入らなかったのですが、SOUNDセッションを通して、1on1を初めてやったときの「色々話せてよかったです」という感覚を参加者全員が一度に味わえていたようです。 

というのも、ブレスト文化で思ったことを言うのはできていても、実は“対話”を沢山しているわけではなくて。

「普段思っていることをこれほど話す時間はなかったから、定期的にやりたい」という声も多く聴きました。 

1on1にも段階があって「普段話ができていないので思ったことを出せたことに満足する」というのが最初のポイントとしてあると思います。もちろん、そこからどんどん深掘りしていきたいですが。 

SOUNDカード™でのセッションで、30人といっぺんに1on1をして「まず思ったことを出せた」が実現できたような感じです。 

加えて、SOUNDセッションのステップのおかげで、まず自分の話を言えたことに満足感を感じる人もいれば、他の人の意見から新たな発見ができる人もいて、それぞれの状況に応じた満足感が得られているようでした。 

 

丹治さん: 私は、先の話と重複するのですが、事業再編などのプロセスで自分も議論に加わりながらファシリテーションするという使い方をしています。 

事業開発の場面で「あらゆる可能性を考慮したい」というタイプの人がいますが、その場合何を軸足にして進めていくのか分からなくなってしまうんですよね。 

弊社では、共通項を探しながら、いわば横の方向に話を広げながら進めていくのが通例ですが、SOUNDカード™を使うことで「ここを軸足にするとよい」というポイントを見つけられるんですよね。Outcomeステートメントを作り、それがそのままコンセプトとなる。そして、Driveのステップで見つけたネクストアクションを元に進めていく。 

SOUNDのステップの通りにその事業部は事業開発のプロセスを踏んでいますね。 

 

― 事業開発のスタート時には、多様な人々が様々な思いを持ち、アイデアを出し合って先行させたがる人もいるがゆえに、エネルギッシュな雰囲気はあるがパワーが分散してしまう、ということでしょうか。 

 

丹治さん: 今回のケースの場合は、「動機の置き所がない」という感じでした。 

やりたいことが抽象的で、一般的すぎるがゆえにコンセプトが決められない。動機としてドライブがかかるものが必要になるよね、という状態だったんです。 

新しいチームだったので、チーム内の状態も分からず、どんなレベルで議論しているかもわからなかったので、「一旦SOUNDカード™でやりましょう」と入ってみたら、良いところまで進められたという。 

 

柴田さん: その時は、SOUNDカード™についてはどう説明するんですか?  

 

丹治さん: 時間がない場合が多いので、SOUNDカード™の説明は2分ぐらいにして「これもう超いいし、ずっとやってるんで使いましょう!」って(笑) 

実際にやってみると、メンバーから「これ何ですか」「なんでこんなにいいんですか?」と反響があって、それで「実は…」と説明する感じです。 

写真6_インタビュー時2.png

―すごいですね!その方たちが「良い」といったポイントはどこにあると思いますか? 

丹治さん: 3つポイントがあると思っています。 

1つ目は、相手のことがよくわからなくてもお互いにコミュニケーションが成立すること。 

2つ目が、チームがどんな状態でも具体的に議論が進められるということ。 

3つ目は、先ほど柴田も話していた通り、質の高い問いによって、自分が言いたいことを言えるだけでなく、選んだカードの問いと、選んだ背景の説明を挟んでより深い説明ができるので、とても満足感があります。 

チームに対しても良い影響だし、議論も進んだし、個人の満足感も出た、ということですね。 

 

― SOUNDカード™をこんなに使いこなしている方はそうそういらっしゃらない、と感激しています。そしてこの3つのポイントが非常に興味深いですね。 

チームビルディングができる、議題が進む、個人としての満足感がある、という事ですが、逆に言うと普段の話し合いの場ではこれが欠けやすいということですよね。

丹治さん: そうだと思います。どれかがうまくいっても、個人としての満足度はあったけどあんまり進まなくなっちゃうとか、チームビルディングはできたけれど、議論は全然進んでないとか。 

 

柴田さん: 私が大事にしているのは、チームビルディング、個人の満足度、議題、の順のイメージでしょうか…チームビルディングと個人の満足度の関係性について考えたことはなかったですが、まずは、「整える」ということを意識していました。もしかしたら、個人の満足度が最優先だったかもしれませんね。 

議題を進めることについては、皆で議論して進めることは難しいと思って、これまではメンバーと1対1の面談で状況ヒアリングをして私がまとめる、ということをしていました。 

SOUNDカード™があることで、皆で話して、皆で進めるパターンが見えた感じです。 

なので、先にお話した事業部での合宿を企画しようと思ったんですね。 

丹治さん: 柴田はずっと種まきをしていますね。 

面白法人の管理部門は難しい課題も多く、「どういう機能として存在すべきか」という事自体も難しいテーマです。柴田は例え話などを使いながら伝えようとしていますが、メンバーが柴田と同じ目線で解釈できるようになるのは難しいことだと思います。 

それを自分事化して、能力を発揮できるようになると、様々な議案が進んでいきますから、チームビルディングが、議題の進行にも関わって、関連しあうということだと思います。 

 

― 丹治さんがおっしゃった新規事業のケースでは、チームビルディング自体は「ノリ」があればスムーズに進む一方で、種々雑多な人たちが集まるが故に「ノリ」が合わないと分散することもあり得ますよね。議題がまとまっていくこと自体が、チームビルディングになる、ということもあるかと思いますが、いかがですか。 

丹治さん: その時にリーダーシップを発揮する人の特質によると思うのですが、人それぞれだと思います。 

チームビルディングをしたい人もいれば、アジェンダを重要視する人もいる。 

SOUNDカード™は、それを同時にやれるのがすごいですよね。どちらにフォーカスを当てたとしても、どちらも進めることができます。アジェンダの設定やファシリテーションするときの意図の、バランスが取りやすいですよね。 

チームビルディングができる、議題が進む、個人としての満足感の3つのポイントについてですが、恐らくアジェンダの組み立てと、グルーピングと、ファシリテーションの意図によって、その3つの優先順位をコントロールできますね。 

例えば私は、新規事業の場のときは、あくまでもアジェンダをしっかり進行させました。 

事業をこのまま停滞させられないな…という感じだったので、ある程度アジェンダを進行させようとしましたが、それでも結果的に残りの2つは阻害されず、むしろ一緒に進めていくことができていました。 

 

― とても面白いポイントですね。私も今気づいたのですが、SOUNDカード™のプロセスに乗っていきながら、その3つの比重を変えられるということですね。柴田さんは「皆が言いたいことをいう」こと、丹治さんは議題を進めることに重心を置いてらっしゃった。重心の置き方を変えてSOUNDステップを使うことができるということですね。

 

柴田さん: 来週、管理部門でSOUNDセッションをするのですが、「カヤックの社会的インパクトの話」は本当に話せる人だけで集めて、それ以外のテーマは、そういった議論に初めて参加するメンバーでも可能なものにしてグルーピングしようかな…と考えていました。 

これは先ほどの3つのパラメーターを、グループごとにどう重心を置くか、ということだ、と、いま気づきました。 

他部署でも、先日のグループ経営会議での体験を経てSOUNDカード™を使っているようですね。合宿などでの定期的なプログラムに取り入れていくでしょうし、とても汎用的なので継続的に使うマイナス面が無いように思います。 

 

― 柴田さんや丹治さんのように、SOUNDカード™の本質を理解し、何が刺しどころなのかわかってくださっていると、社内での活用についても継続性があると思います。 
対して、イベント的に使用し続けるのには限界があると感じています。話が盛り上がることがあっても、それだけで、情動的な話にしかならない。一時的なブームで終わってしまうと思うんです。 

先ほどの3つのポイントのように、キーサクセスファクターが明確になり、言語化されて成功事例とともに共有されていくことが、SOUNDメソッド®が定着するかどうかのポイントだと思っています。 

丹治さん: 使えるところを増やしていきたいですね。コンサルティング的に場に入る時に相手の状況が分からない、そもそも参加者のことをまったく知らないということもあります。でもSOUNDカード™を持っていけば、いきなりその場に入れちゃいますね。 

先もお話した通り、議論がどんな状態でも使えるし、SOUNDカード™セッションの実施がチームビルディングそのものにもなりますから。そして、アジェンダも進められますし。 

柴田さん: 月一くらいのペースでの活用を考えていましたが、毎週これでやってもいいのかもしれませんね。 

 

丹治さん: 汎用性のあるツールなので、人によって使い方は違うでしょうね。私は、コンセプトやその場のメンバーの言いたいことを聞いてからOutcomeステートメントをまとめて、構造を見せつつ議論のたたき台として使うんですが、人によっては何度もSOUNDカード™を使う、というやり方もあるのかもしれません。例えば、「ちょっとStatusだけやりましょう」となってもいいかもしれませんね。「SOUNDコーチ養成講座」を受講してみて、また詳しく考えてみたいと思います。 

 

柴田さん: 私は新人研修で使ってみようと思います。というのも、去年の新人に研修の感想を聞いたところ「簡単すぎる」という感想があり、既存の社員たちも聴きたいと思う内容で構成しなおそうと思っているんです。 

軸としては、カヤックという会社を理解する場として設定して既存社員の動きを見てもらったり、一緒に学んで、そのあとの「振り返りの場」をつくる、というフォーマットで財務やマーケティングを改めて学んでもらおうと思っていました。 

その振り返りの場をどう作ろうかなと思ったのですが、SOUNDカード™を使えば良いですね。カードを使えば、一緒に社員がいる場でも新入社員に「今日の一枚」で選んでもらって、プログラムについて何を想ったか言ってもらえますね。 

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