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講座卒業生インタビュー vol.2 西見 公宏さん

カードがもたらす場への「パワフルな変化」とは、
いったいどんなものなのか?

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西見 公宏さん
 

大手システムインテグレータでの大規模業務システム開発を経て、2011年に現在勤務する株式会社ソニックガーデンへ入社。ソフトウェア受託開発のビジネスモデルを根底から変えた「納品のない受託開発」のサービス提供に関わり、数々の新規事業の立ち上げ支援ならびに新規Webサービス開発にプログラマかつプロジェクトファシリテーターとして参画。年間100件以上の新規相談を受け付けながらプロジェクトの立ち上げを支援。

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― 合宿でカードを使ったとき、カードを初めて見た皆さんの反応はいかがでしたか?

いわゆる研修慣れはしてないメンバーだったのですが、だからこそかな、新鮮な感じで使ってもらいました。 シンプルに自分が答えたい問いを選んで、自分が話したいと思うことを選んで話すだけなので、スムーズに使えていましたね。

― SOUNDカード™や、SOUNDメソッド®のパワフルさはどんなところにあると思いますか?

「カードがファシリテーションをしてくれること」が一番のポイントだと思います。 
カードであることの意味は、ファシリテーターもその場に入れるということと、ファシリテーターの役割がカードに移ることと、そして、問いをみんなが選ぶこと。 
自分で、自分が答えたい・答えられる問いを選べるのはカードという形式ならではですよね。 
というのも、誰かからの問いって、当然のことなのですが言われるまで内容を予測できないし、問いを出す側も「いきなりこんなこと言われても困るかな」とドキドキしてしまって、それぞれ緊張感が生まれますよね。 
ところが、カードを自分で選んで答えるので、「問う人、問われる人」という役割分担が生まれない。「答えられなかったらどうしよう?」ということがなくなる、と感じます。 


本当のところ、みんな、自分が思っていることを自由に話したいのだと思うんです。 
でもその”話したいこと”に当てはまる問いが来ないと話す機会がないし、とはいえチェックインで話すにはちょっとなあ・・・というトピックもあるじゃないですか。 
カードなら、自分の話したいことに都合のいいカードを取って、自分の話したいことを、自分のタイミングで場に出していくということが可能になるので、そのことで心理的安全性がつくられやすいと思います。 
5つのステップでは、Understandが一番のポイントですね。

Status、Outcomeと進んで盛り上がっていったところで、例えば「予算がない」とか、構造が見えることで場の雰囲気が重くなりがちなので、上手く整理していく必要があります。そこはファシリテーターの腕のみせどころですし、ここは他のツールとの組み合わせが肝要だと思います。ループ図を描いていくのか?付箋で関係性を洗っていくのか?課題・気がかりを棚卸ししていくのか?などでしょうか。 

ただ、通常の会議やミーティングと違って、Status・Outcomeのステップを経て、みんなで創り上げていく場であるという合意ができているので、Understandで見えた構造への対応策の提案に対しても、みんなが当事者意識を持って吟味する、という雰囲気で進められるのはSOUNDカード™の効果じゃないでしょうか。通常だと、対応策を提案したあなたが頑張ってください、となりがちだと思うので。 

― SOUNDカード™はどんなところで使えそうですか?

「チーミング」という文脈でのツールなので複数名で使うイメージが強いかもしれませんが、1対1の場面で使うのもとても効果的ですね。2人きりで話していると「思いもよらないところから問いを立てる」って難しいと思うのですが、SOUNDカード™があることでそれが可能になる感じがありますね。こういう観点もあるよね!と、まるでファシリテーターがもう一人いるかのような場をつくれます。 


あとは、一人で使うパターンを研究してます(笑)。4象限で分けて山積みにしたAgendaカードを内省ポイントにしてみる、という方法です。 
 

そういえば、先日、小学四年生の子どもと旅行先を決める、というシーンでカードを使ってみました。中には、小学生には難しい、という問いのカードもあるので、そういったものは省いて意味が分かるものだけ選ぶという使い方にアレンジしましたが、ちゃんと問いに答えられていましたね。結果、「どんな旅行になったらいいか?」という問いに対して、旅行の行き先が重要なのではなく「新しいことが体験できたらいい」というOutcomeを生み出していました。 

― SOUNDカード™があるときと、ないときとで、「場」にどんな違いが生まれると思いますか?

先にお話しした社内合宿のことを思い出しているのですが、みんな「自分が思っていること」を話すことへの恐れを強く持っているんですね。「自分で問いを作って、人に問いかける」ことって、関係性がそこまで深くない間柄だと、恐れが出てくる。 
一方でカードがあると、まず自分でカードを選んでよくて「カードがこういう設定なので答えるんですけど」という風に、イクスキューズしながら自分の声を出せる。 
あまりにも心理的安全性が低すぎると場が成立しないかもしれませんが、「そこそこ低い」くらいの場であれば、SOUNDカード™があることで参加者の本音の声を聞くことができると感じました。 
それと、カードがない場は『しゃべる人「だけ」がしゃべる』場になりがちですが、SOUNDカード™セッションの進め方自体がみんな話せるように設計されていることに加えて、カードの問いが深いのでその答えも自ずと深くなっていくし、2~3枚ではなく何十枚もたくさんある中から選ぶ、ということが、また心理的安全性の担保につながりますよね。 
こうしてお話していると、普通に話す、ということが、実は意外と難しいことだったんだなぁ、と気付きますね。 

― SOUNDカード™の購入・利用を検討している方に一言おねがいします。

 

SOUNDカード™によって、人と話をする体験が大きく変わります!その体験を味わってみてほしいです。 
そして、一回使うと生活必需品になります(笑)。ミーティングだけでなく、何か困ったことがあったらカードを引いて、答えてみればいい、という体験ができますから。 
どんな使い方であっても、問いのバリエーションが多い方がよりパワフルなので、ぜひEssential版だけでなくProfessional版も手にしてみてくださいね。

― 今回は貴重なお話をありがとうございました!

​■本インタビューは2022年8月8日に行ったものです。

― 普段のお仕事を教えてください。

 

プログラマーとして、様々なWebサービスのシステム開発に携わっています。 

そしてSOUNDカード™に興味を持ったきっかけにもつながるのですが、新規システム開発のプロジェクトファシリテーション、ということもしています。「こんなシステム・仕組みを作りたい」と考えているお客様に対して、「なぜつくりたいか? どういったものを作りたいか?」といったことを、様々なお話を伺いながら一緒に創り上げていく仕事です。 

人によってはこのプロセスをシステム開発の前段階、「要件定義」と表現する人もいますが、何を作るかを定義すると言うよりは、『皆さんとの私たちとの間で何が生まれようとしているのか?』という問いから新しい可能性を創り出すプロセスだと考えています。

― なぜSOUNDカード™に興味を持たれたのですか?

先ほどお話しした通り、新規システム開発のプロジェクトファシリテーションでは、プロジェクトの立ち上げに関わっていくことが主な取り組みになります。 
そしてその取り組みでは、お客さまにしろ我々にしろ、今集まっているこの場が持っている「本当の目的」は何だろう? という問いかけをしていくことになります。  
ただ単に訊いていけばいいというものでもないんですよね。私が「それは何ですか?」と聞いている時点で、『それをあなたに話したら、あなたがアレンジしてくれるんですよね?』という期待が発生してしまうことがある。

このことは私が実際の作り手、プログラマーであり、プロジェクトの当事者でもあるということが作用していると思っています。相手のニーズを受け取って、それをなんとかするという別の役割が生まれてしまう。そして、例えばその話を受けて「アレンジの結果これができました」と作ってみせても、「これじゃ満足できません」と返される。それを繰り返していくのって、非効率ですよね。 
そもそも立ち上げの場に集まっているお客さまないし我々は、それぞれ開発、事業のプロフェッショナルなので、本当の目的を探っていくプロセスを通して共創関係を生み出していくにはどのようなプロセスを設計する必要があるのか?ということが、ずっとテーマでした。 
実際、ファシリテーションの結果にはあたり・はずれがあって、振り返ってもその要因が曖昧で、学びはあるものの本当のところ何が要因なのか判然としない、暗中模索状態だったんです。 
そんな中、何かヒントになればと考え、SOUNDカード™に興味が沸きました。 

 

― 実際にSOUNDカード™を使ってみて気付いたこと・学んだことは何ですか? 

 社内での合宿や、SOUNDカード™を持っている人との事業開発に関する打ち合わせなどでスムーズに使えました。 
例えば社内合宿について、合宿の場の難しさは、アレンジャーがコンテンツを作ってただ取り組んでもらうだけだと、参加者は「アレンジャーに言われたことをただやる」場になってしまうことですよね。 
もちろん、そうやって準備されたコンテンツにも一定の意味はあると思うのですが、私は「合宿という場を作ってまで、自分たちが検討したいこと、考えたいことって何だろう?」ということを自分たちで考えてもらうことも合宿の意義だと考えています。 
 
SOUNDカード™はそのことを話し合うツールとしてすごくよかったです。 
特に印象的だったのは、Outcomeを作ったときにみんながすごく手応えがある顔をしていたこと。「これがやりたかったんだ!」みたいな。 
Outcomeステートメントそのものは、まだまだ洗練させられる感じもあるのですが、何よりも自分たちでステップを踏んで進めていって、そしてこのOutcomeステートメントを持ってプロジェクトに取り組めるというということ。そして、それが、1〜2時間くらいで作れちゃうっていうのが、めちゃくちゃパワフルだな、って思いました。 

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